ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.99(2020年5月8日)「後出し“負け”じゃんけん」と「投資家の心理」

先日、地域社会ライフプラン協会が主催する「ライフプラン専門セミナー」に講師として参加しました。地方公共団体の福利厚生担当者向けに、ライフプランの専門知識習得を目的として毎年開催されるこのセミナー、今回、私が講師を務めた「家庭経済設計」はカリキュラムの一番最後でした。当日は外出先での会議が予定より早く終わったので、1つ前の「健康」セミナーから会場に入りました。

ちょうど昼食後の「健康」セミナーは、参加者が睡魔に襲われる魔の時間帯でしたが、講師の日本成人病予防協会の方は手慣れたもの。メリハリのあるお話しで参加者を惹きつけ、寝ている人は皆無(驚!)。特に興味深かったのが、講師の方が参加者と一緒にやった「じゃんけん」でした。

やったのは、「後出し“負け”じゃんけん」。講師が「じゃんけん、ポン!」と出した手に、参加者が後出しで負ける手を出す、というルールです。これが実際にやってみると難しい。。。“後出しで勝つ”のは簡単ですが、“後出しで負けよう”と思って何度かやってると、なぜか勝ってしまうのです。なぜ、負けられないのか、講師の方曰く、「人は本能的に“勝ちたい”と思っているので、“負ける”という思考が働きにくいのです。でも、普段使わない“負ける”という思考を働かすと、脳が活性化するのです。」なるほど〜、当然、眠気もなくなりますね。

これは、人間の思考の癖が正しい行動を妨げてしまう、という一例ですが、投資の世界でも似たような話がいくつもあります。私がセミナーでよく紹介する、「投資家の心理」の話も、この手の話の1つです。

「“投資の大原則”は、安く買って、高く売る。頭では誰もが分かっています。でも、実際にそのように行動するのが難しい。例えば、投資した商品が値下がりすると、まだまだ下がると怖くなり、急に売りたくなります。逆に値上がりすると、まだまだ上がると思って、追加で買いたくなるのです。よくよく考えると、これは“投資の大原則”とは真逆のこと。そのまま行動すると儲かることはありません。でも、これが“投資家の心理”であり、実際投資しないと分からない心持ちでもあります。」と、こんな感じです。

極論すると、“投資の大原則”とは、周りのみんなが売っているときに買い、周りのみんなが買っているときに売る、ということなので、とても孤独な振舞いでもあります。最悪なのは、そんな居心地の悪さに耐えきれず、真逆の行動をとってしまうことでしょう。そうならないためにも、まずはコツコツと積立投資をはじめることが、“投資家の心理”を体感するうえで、とても大切になると思います。

「健康」セミナー終了後、私の講演中に気になったのが、手のひらを一生懸命押している参加者が目についたこと。集中力が増すツボとして「健康」セミナーで紹介されていた労宮(ろうきゅう)を押していたのかも知れません。私も「じゃんけん」をやったほうが良かったですかね(苦笑)。。。

  • ※労宮(ろうきゅう)とは、手を握ったときに手のひらで中指が当たるところ。親指で押すと、血流が促され、脳が活性化し、集中力が増すそうです。

大和証券
2020/1/31作成

TOP